「三つの実存」の現出に寄せて
今回の展示における工芸という枠を超えた「三つの実存」の交差。
井上萬二窯(Static Archive)
白磁の極致を完成させた、揺るぎなき歴史的正典。その静謐な佇まいは、我々が常に立ち返るべき偉大なる原点。
井上祐希(Aesthetic Narrative)
現代の熱狂を鮮烈なアートへと昇華させる、時代の叙事詩。伝統を更新し続けるその躍動は、次代への確かな希望。
真右エ門窯(Active Infrastructure)
我々の使命は、この尊き歴史と鮮烈な感性を繋ぎ、一つの調和した世界として成立させる「動的なインフラ」。
若き才能が放つエネルギーを、真右エ門という確かな土壌の上でどう開花させ、結実させるか。それは伝統を預かる我々に課せられた、美学的な実験であり、次代への献身でもあります。
工芸を「鑑賞」から、人生を支える「実存の定礎」へ。
この審美的な衝撃が、皆様の精神を調律する一助となれば幸いです。
馬場 泰嘉

