KUU:深淵の物理的実装、あるいは「空」の登記

KUU: THE PHYSICAL MANIFESTATION OF THE ABYSS

■ 識:仏教が到達した極限の静寂、「空(くう)」
仏教が到達した深淵、「空」。それは単なる無ではない。あらゆる情報の濁流を遮断した果てに現れる、極限の静寂である。

窯の猛火の規律を通過した磁器は、その「空」の物理的実装に他ならない。我々が提示する器は、単なる祈りの対象ではない。己の深淵と静かに対峙し、自己の輪郭を再構築するための冷徹なる「鏡」である。

■ 理:脳を鎮静させる「石の理性」
極限まで研ぎ澄まされた無機質の冷たさ、すなわち「石の理性(Stone’s Reason)」。それは、座禅における警策のごとく、現代人の肥大化した脳のノイズを鎮静化し、強制的に遮断(Disconnect)する。

この器と向き合う時間。それは完全なる「情報の断食(Information Fasting)」である。

空海の神秘主義や老荘思想が説く、自己との峻烈なる対峙。我々の窯変(ようへん)は、持ち主の精神の奥底を静かに映し出す装置として機能する。

■ 統:精神の重力場、聖域の設置
現代の空間において真に渇望されているのは、外部からの救済ではない。精神の重力場を固定する、絶対的な「重心」である。

故に定義する。
己の空間に絶対的な聖域(Sanctuary)を構築するための、不可逆の結界。
脳の洗浄と覚醒を促す、精神のインフラ(Active Infrastructure)をここに設置せよ。


■ KUU: The Physical Manifestation of the Void
“Kuu” is not mere nothingness; it is the ultimate silence achieved by severing the flood of information. Our vessels, forged through the discipline of the fierce fire of the kiln, are the physical implementation of this void. This is the Stone’s Reason—a mental infrastructure that functions as a “mirror” for Aesthetic Sedation and Information Fasting. It is the installation of an irreversible Sanctuary that anchors the mental gravity field and awakens the true self.


真右エ門窯 CBO / Executive Creative Director
東洋哲学者 | 陶芸哲学者
馬場 泰嘉

Hirokazu Baba
CBO, Shinemon Kiln
Oriental Philosopher | Ceramic Philosopher

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この記事を書いた人

「様式は時代を整え、質量は実存を定礎する」

自我を捨て、極限の「石の理性」と「猛火の規律」のもと、ただ炎が永遠を暴き出すのを待つ。【掌宇宙論】【耀変美法】【清浄といき】を提唱し、陶芸を以て精神のインフラ(アート)を構築する。

豊嶋彌左衞門(能楽)、奥川俊右エ門(轆轤)に師事。陶山神社での謡曲奉納を主宰するなど、数百年の血脈と精神の調律を探求し続ける。その独自の哲学は、TEDxや日本伝統文化協会(JCbase)への登壇を通じ、次代へ継承すべき「永遠のレガシー」として世界へ発信されている。

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