「器に宿る宇宙の理(ことわり)——真右エ門窯が追い求める『石の理性』について」

有田焼「青き明星」飯碗。炎の窯変が描き出すハイエンドな精神の拠り所。

序 洗練のその先へ

今日、私たちの周りには、高度な技術に裏打ちされた完成度の高いプロダクトが溢れております。それらは現代の生活を豊かに彩る、素晴らしいデザインの結晶です。私たちは、そうした現代の優れた美意識を深く尊重しております。その上で、私たちが窯元として日々向き合っている「もう一つの美」についてお話しさせてください。

壱 炎という「共同創造者」

私たち真右エ門窯が最も大切にしているのは、窯の猛火の中で起こる、窯変(ようへん)という現象です。釉薬が炎と出会い、器の表面でどのように結晶化するか。その全てを人間が完全に制御することは叶いません。私たちが設計図を描き、土を形作り、釉薬を調合しますが、最終的な完成は炎に委ねられます。この「予測不能な美」との対話こそが、私たちの創作の核心であり、これを私たちは敬意を込めて「石の理性」と呼んでおります。

弐 「青き明星」の佇まい

今回ご紹介する「青き明星」もまた、そのような自然の摂理が描き出した一作です。深い黒の深淵から浮かび上がる青い結晶は、私たちが意図した以上の輝きを湛えております。それは、絵付けでは決して辿り着けない、鉱物と炎が偶然に、そして必然的に作り上げた実存の美です。手にした瞬間に、日常がふと静かな深みへと導かれるような、そんな静寂を感じていただければ幸いです。

参 美の守護者の皆様へ

もし、貴方の生活空間に、器という枠を超えた、ささやかな精神の拠り所をお求めであれば、私たちの作品がその一助になれるかもしれません。私たちは、伝統という重責を担いつつも、現代を生きる皆様の心に寄り添う一器でありたいと願っております。真右エ門窯の器が、貴方の日常をより豊かな思索の時間へと変える、良き伴走者となれればこれに勝る喜びはございません。

有田焼「青き明星」飯碗。炎の窯変が描き出すハイエンドな精神の拠り所。

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この記事を書いた人

「様式は時代を整え、質量は実存を定礎する」

自我を捨て、極限の「石の理性」と「猛火の規律」のもと、ただ炎が永遠を暴き出すのを待つ。【掌宇宙論】【耀変美法】【清浄といき】を提唱し、陶芸を以て精神のインフラ(アート)を構築する。

豊嶋彌左衞門(能楽)、奥川俊右エ門(轆轤)に師事。陶山神社での謡曲奉納を主宰するなど、数百年の血脈と精神の調律を探求し続ける。その独自の哲学は、TEDxや日本伝統文化協会(JCbase)への登壇を通じ、次代へ継承すべき「永遠のレガシー」として世界へ発信されている。

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