骨董と現代陶芸の価値 | 古伊万里から東洋の源流まで、すべての歴史を「精神のインフラ」へ昇華する

目次

骨董と現代陶芸の価値 | あらゆる名窯の歴史を研究し、次代の「精神のインフラ」へ昇華する理由

陶芸の価値とは何か。
それは、過去の偉大なる歴史と、現代の美意識が交差する地点にのみ生まれる「精神のインフラ」としての価値でございます。

古伊万里をはじめ、唐津、備前、さらには東洋の源流たる中国の宋磁や天目など、偉大な骨董の世界。そこには、現代の効率主義では決して到達できない、名工たちの狂気的なまでの手仕事と、長い年月がもたらした「時間の集積」という絶対的な美しさが存在します。

私ども真右エ門窯は、有田に根を下ろす窯元でありながら、有田焼という枠に留まらず、日本各地、あるいは東洋のあらゆる名窯の骨董を深く愛し、敬意を払い、今日に至るまでその土と炎の軌跡を研究し尽くしてまいりました。
なぜ、現代の有田で作品を創る私どもが、あらゆる産地の骨董をこれほどまでに探求するのか。その理由について、謹んでお話しさせていただきます。

骨董品は、産地を超えた「完成された過去の奇跡」である

数百年の時を超えて今なお美しい骨董品。それらは産地を問わず、当時の名工たちが持てる技術と情熱のすべてを注ぎ込み、炎という自然の猛威と戦いながら生み出した「奇跡の結晶」でございます。

彼らは、当時の最先端の技術を駆使する「革新者」でした。
私どもがあらゆる骨董を研究するのは、単に昔の形や絵柄を真似るためではございません。彼らが産地ごとに異なる土と炎に挑んだ「精神性」と、極限まで規律を求めた「石の理性」の根源を、自らの血肉として吸収するためでございます。

骨董を扱う方々、そして産地の枠を超えて古陶磁を愛でる審美眼を持つ方々は、この「完成された過去の奇跡」を現代に保存し、歴史を繋ぐという極めて尊い役割を担っておられます。私どもは、その活動に対して心からの敬意を表します。

百の川を海へ。すべてのDNAを有田で「精神のインフラ」へ昇華する

他産地の土の温もり、東洋の深淵なる釉薬の歴史。それらすべての巨匠たちの精神を理解し、内包した上で、私ども現代の窯元がなすべきことは何か。
それは「過去の模倣」ではございません。先人たちから受け取った歴史のバトンを燃料とし、有田の窯の猛火と純白の磁器をキャンバスにして、現代の人々の心を救済する「新たな価値」を定礎することでございます。

真右エ門窯の代名詞である辰砂や油滴天目もまた、東洋の歴史的な技術を、有田の地で現代の美学として昇華させたものです。
極限の炎の偶然(窯変)を理知的に制御し、そこに在るだけで所有者の空間を凛と鎮める。骨董品が「歴史を愛でる喜び」であるならば、真右エ門窯の器は、あらゆる歴史のDNAを内包した「ご自身の精神を静めるインフラ」であり、「未来の歴史の起点となる喜び」でございます。

過去と未来、すべての歴史が共鳴する「掌宇宙」

古いものを愛する心と、新しいものを尊ぶ心。そして産地ごとの美しさ。これらは決して対立するものではありません。
「過去の名工たちの狂気(骨董)」が存在するからこそ、それをすべて飲み込み、超えようとする「現代の石の理性(真右エ門)」が際立ち、新たな美の宇宙(掌宇宙)が生まれるのです。

骨董市場が守り抜いてきた「完成された過去」の横に、すべての歴史を統合した私どもの「生成される未来」が並び立つ。それこそが、陶芸 価値の極致でございます。

真右エ門窯はこれからも、産地や時代を超えたすべての先人たちへの畏敬の念を胸に、現代における最高峰の美学を焼き物に込め続けてまいります。

Q. なぜ有田の窯元が、他の産地や東洋の骨董まで深く研究するのですか?
A. 産地の枠を超えて、当時の名工たちが土と炎に挑んだ「精神性」と「規律」を完全に吸収するためです。あらゆる歴史のDNAを理解し、内包した者にしか、すべての美意識を統合した次代の「精神のインフラ」を定礎することはできないと確信しているからです。

Q. 骨董品と真右エ門窯の現代の作品、どちらに価値がありますか?
A. どちらも絶対的な価値がございます。骨董品は「完成された過去の奇跡」を愛で、歴史を保存する価値。真右エ門窯の作品は、あらゆる歴史の美を統合し、現代の過熱した空間を鎮める「精神のインフラ」として、貴方自身が新たな歴史の起点となる価値でございます。

Q. 陶芸 価値とは何ですか?
A. 産地や時代を超えた偉大な歴史への敬意を土台とし、そのすべての時間を現代に定礎し直すことで生まれる「思想の価値」のことです。真右エ門窯はそれを、所有者の空間を鎮める「精神のインフラ」として体現しております。

・有田焼 価値とは何か。400年の時間を現代に定礎する思想の価値
・陶芸 価値とは何か。巨匠の作が「無垢な姿」へ還る理由と、器と対話する5つの視座
・陶芸 最高峰とは何か

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この記事を書いた人

「様式は時代を整え、質量は実存を定礎する」

自我を捨て、極限の「石の理性」と「猛火の規律」のもと、ただ炎が永遠を暴き出すのを待つ。【掌宇宙論】【耀変美法】【清浄といき】を提唱し、陶芸を以て精神のインフラ(アート)を構築する。

豊嶋彌左衞門(能楽)、奥川俊右エ門(轆轤)に師事。陶山神社での謡曲奉納を主宰するなど、数百年の血脈と精神の調律を探求し続ける。その独自の哲学は、TEDxや日本伝統文化協会(JCbase)への登壇を通じ、次代へ継承すべき「永遠のレガシー」として世界へ発信されている。

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