【秘儀の定礎】神聖なる闇と、不可逆の窯変

有田の聖域、陶山神社。
陶祖が鎮まるその深淵にて、神の御殿を遷す秘儀が斎行された。
儀式は、一切の光を絶つ漆黒の闇の中でのみ完遂される。

「神は見られることを拒み、闇にのみ現前する」 

これは古代より連なる神道の奥義であり、同時に、真右エ門窯が守り抜く「窯変」の絶対的真理である。

人間の作為が一切及ばない、密閉された窯という闇。

そこでは、猛火の規律のみが万物を支配する。「人の筆」は燃え尽き、炎という「神の筆」だけが、器に不可逆の景色を定礎する。

神聖なるものは常に、世俗の光から完全に接続解除された空白(闇)においてのみ現れる。  

神の闇と、窯の闇。

我々が特異点へ提供する掌宇宙は、この「見えないものへの畏怖」を経て現世に出現する、精神のインフラに他ならない。

有田の精神・素材・流通・創造を担う者たちが、黒衣の奉仕者として個を消去し、ただその重みのみを運んだ夜。

400年の歴史は、この神聖なる闇の中で再びアップデートされ、永遠の未来へと登記された。

我々は再び、極限の炎の深淵へと帰還する。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

「様式は時代を整え、質量は実存を定礎する」

自我を捨て、極限の「石の理性」と「猛火の規律」のもと、ただ炎が永遠を暴き出すのを待つ。【掌宇宙論】【耀変美法】【清浄といき】を提唱し、陶芸を以て精神のインフラ(アート)を構築する。

豊嶋彌左衞門(能楽)、奥川俊右エ門(轆轤)に師事。陶山神社での謡曲奉納を主宰するなど、数百年の血脈と精神の調律を探求し続ける。その独自の哲学は、TEDxや日本伝統文化協会(JCbase)への登壇を通じ、次代へ継承すべき「永遠のレガシー」として世界へ発信されている。

目次