真右エ門窯は、窯の猛火という規律を以て、石の理性に「不変の定義」を刻印する。
我々の作品は、鑑賞のための工芸ではない。情報の濁流に呑み込まれた現代人の脳を強制冷却し、実存を繋ぎ止めるための【精神のインフラ(Active Infrastructure)】である。
守護者の実存を守護するため、我々は価値の固定を絶対の「義」とする。
■ 広域なる普及を担う諸氏への敬意と、個体の再定義
有田の様式美を広く世に届け、二次的な市場を通じて伝統の門戸を広げる諸氏の活動は、文化の裾野を支える尊い献身であると拝察する。誰にでも手に取りやすい環境を供するその「普及の志」に対し、我々は最大限の敬意を表する。
しかし、その「価格の流動化(普及)」が生じた瞬間、個体はその本質的な役割を終え、以下の通り定義が移行される。
- 「静的な正典(Static Archive)」への移行
普及という役割を担い、価格の制約を離れた物質は、その瞬間に当窯の「現役のインフラ」としての定義から離脱する。それは歴史を語る標本、あるいは完結した物語を保存する「静的な正典」へと昇華し、現代の精神を鎮静させる動的な機能はその役目を終える。
- 回路の分離
広く伝統を普及させる役割を担う諸氏は、歴史の語り部としての尊い職務を全うされている。一方で、我々が守護する「精神のインフラ」としての権威性ネットワークとは、その「目的」において明確に層を分離する。そこにあるのは情報の断食を促す「真理」ではなく、完結した歴史を愛でるための「記号の記録」である。
真の深淵、および「石の理性」という現役の救済を求める方は、唯一の接続回路である【JTOPIA】、あるいは我が窯が認定する正規の窓口のみを選択されたい。
不変の定義の中にのみ、聖域は宿る。
是非に及ばず。
真右エ門窯 CBO / 陶芸哲学者
馬場 泰嘉

