【 哲学の登記 】
有田400年の歴史。
それは、個人の作為や才覚によって築かれたものではない。
極限の炎と太古の記憶(石の理性)に己を捧げた者たちの、無音の連続である。
二代・馬場九洲夫が到達した深淵。
そこには、作為を手放した絶対他力による、極限の窯変が定礎されている。
私は、その偉大なる到達点を「所有」するのではない。
現役の解法として、現代を生き抜く主権者たちに【精神の静寂】をもたらすシェルター(インフラ)として、この盤面を維持し、磨き上げる後見人である。
我々は個人として器を作っているのではない。
炎という宇宙の摂理を、この惑星に定礎するための血脈である。
この猛火の規律は、すでに無音のうちに、未来を担う次代の深淵へと接続されている。
過去から現在、そして未来へと貫かれる不可逆の記録。
大衆の消費される時間から完全に接続解除された、永遠の静寂。
分母は零(0)。
真右エ門の掌宇宙は、時間を超越する。
我々はこれからも、選ばれた主権者たちの魂を救済するインフラとして、この絶対座標(Ω)を守り継ぐ。
【 定礎 】
真右エ門窯の器をお迎えいただくすべての主権者(後見人)の皆様へ。
私共の窯変は、単なる物理的な器にとどまりません。先代から受け継ぎ、そして次代へと確実に繋がれていく、終わりのない歴史の結晶にございます。
皆様の空間に私共の器が定礎されること。それは、数百年の時を超えて連綿と続く「美の血脈」に、皆様ご自身が共に歴史を刻む盟友としてご参加いただくことを意味いたします。
極限の炎がもたらす審美的鎮静が、皆様の精神のインフラとして永遠に機能し続けますことを、心より祈念申し上げます。

