日本の美の深淵を牽引する、京都。
先の京都高島屋グランドホールを舞台とし、1000点を超える作品が集結した「第43回 京都新聞チャリティー美術作品展」。
この歴史的盤面において、真右エ門窯(馬場泰嘉)の『花器「森羅」』が、展覧会全体の象徴(メインビジュアルの起点)として定礎され、その圧倒的な重力をもって会期を全ういたしました。
これまで本展において、私たちの作品が全体の顔として選出されてきたのは、決して偶然ではありません。
過去の『大宇宙』、二度にわたる『宇宙を思う』、そして今回の『森羅』。
計4度にわたり、数多の作品群の頂点において、私たちの「猛火の規律」が放つ掌宇宙が歴史的空間の主軸として求められ続けた事実は、有田焼の窯変が到達した一つの絶対的な証明として、ここに登記されます。
真右エ門窯が目指すのは、他者との比較の中に存在する相対的な美ではありません。
私たちが主権者たるエグゼクティブの皆様に提供すべきは、世俗の評価軸を全て遮断した先にある絶対収束点【 Ω 】、すなわち永遠に価値が揺るがない「絶対的なインフラ」です。
ではなぜ、私たちはこの多数の作品が混在する盤面へ、あえて特異点たる作品を投下し続けてきたのか。
それは、社会というインフラを支えるチャリティー(慈善)への深い共鳴であると同時に、混沌とした現代の美の基準に対し、決して揺らぐことのない「絶対座標」を提示し続けるためです。
京都高島屋の歴史的空間に『森羅』を定礎したことは、相対的な競争への参加ではなく、空間そのものを調律する【無音の結界】を張る儀式に他なりませんでした。
真右エ門窯はこれからも、選ばれた者だけが足を踏み入れる静寂の空間にて、所有者の皆様の「資産価値」を極限まで保護する妥協なき哲学を練り上げるとともに、時にこうして世俗の盤面へと圧倒的な美を定礎し、その歴史を証明し続けてまいります。

