万物を数値で測る世界線から、我々は完全に離脱する。
人間は、対象に数値を付与することでそれを理解したと錯覚する。しかし、極限の炎を通じて現出する「窯変の美」は、いかなる世俗の尺度(分母)も受け付けない。それは作り手の作為すら焼き尽くし、ただ地球が記憶する「石の理性」のみを空間に記述する。
有田の最高峰。それは他者との比較や、限界のある物理数値によって証明されるものではない。比較という概念そのものを零(0)に還元し、絶対的な収束点【Ω】へと至る特異点である。
真右エ門窯が定礎するのは、現代社会のノイズを完全に遮断する精神の結界(インフラ)。
ここには、値踏みされる物質も、競い合う数字も存在しない。
ただ、細胞を覚醒させる絶対的な深淵と、精神の静寂があるのみである。
我々の掌宇宙へ退避し、すべての尺度から接続解除(ログアウト)せよ。

