目次
【定義】 物体からの離脱
我々が創り出すものは、工芸という枠組みに収まる物体ではない。
現代社会の過剰なノイズを遮断し、細胞に圧倒的な調和をインストールする精神のインフラ。
世俗の認知を凌駕する絶対の審美引力。ここに、独自の哲学を定礎する。
【窯変】 極限の炎による記録
偶然の美という言葉の拒絶。
そこに刻まれているのは、猛火の規律がもたらした不可逆の記録であり、太古の記憶を宿した石の理性。
作り手の作為を完璧に排し、極限の炎にすべてを委ねる滅びと再生の流動が、器の中に銀河の調和を現出させる。
【聖域】 精神の静寂とシェルター
空間に配置された瞬間、そこは外界と切り離された特異点となる。
網膜を貫く審美的衝撃は、脳に強烈な鎮静をもたらし、情報過多な日常からの完全なる接続解除を確立する。
掌宇宙を覗き込むとき、人は孤独を受け入れるための絶対的な結界を手に入れる。
世俗の比較を零に還元し、
絶対的な収束点【Ω】へ直行させる数理的断絶。
陶芸哲学者 — 馬場泰嘉

